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杉村楚人冠記念館平成24年度冬期企画展講演会

登録日:2015年7月1日

更新日:2015年7月1日

平成24年度冬期企画展「楚人冠と啄木をめぐる人々」関連講演会

歌人の碓田のぼるさんを講師にお迎えし、講演会を開催しました。

  • 日時 平成25年1月6日(日曜日)
    13時30分開場 14時開演 15時30分終演
  • 場所 我孫子市生涯学習センター「アビスタ」 第2学習室

講演の要旨は以下のとおりです。

碓田のぼる さん「杉村楚人冠と石川啄木 ―閉塞の時代と親愛ー」

杉村楚人冠と歌人石川啄木とは、二人が同時期に東京朝日新聞社に勤務していたのが主な接点である。しかし、双方の知人である土岐善麿、『野菊の墓』で有名な伊藤左千夫などを中に置いて考えるといろいろな接点が出てくる。今回の講演会では、彼らの生きた時代の状況を含めて楚人冠と啄木の人間味のある付き合いを振り返ってみたい。

楚人冠と啄木の接点を考える上で最初に考えてみたい問題は、明治38(1905)年の東北の大飢饉である。この頃の東北地方はたびたび飢饉に見舞われ、なかでもこの年はひどい飢饉だったが、日露戦争直後の戦勝ムードで、飢饉の深刻さがあまり伝えられていなかった。この大飢饉に楚人冠は、特派員として現地に向かい、明治39年1月から「雪の凶作地」を『東京朝日新聞』紙上に連載、なかでも岩手の惨状に最も心を動かされた。同じ年の4月に啄木は、渋民村(現在:岩手県盛岡市)にある渋民尋常小学校の代用教員となり、子供の教育を通じて飢饉の状況を体験したのである。後年の二人の交友の裏に東北の大飢饉を共有したという思いがあったのではないか。

次に啄木の思想形成の変化について紹介する。第一回目の変化は、明治41年1月4日、小樽日報社から釧路新聞社に移る直前、小樽市内で行われた「社会主義演説会」に参加したときである。『釧路新聞』で、啄木は重要な政治評論を2本書いている。小樽時代は政治評論を書いていないことから、彼の思想の変化を読み取ることができる。次の変化は、翌年の妻節子の家出である。節子は、義母との折り合いが悪かったため、長女とともに実家に戻った。啄木は家父長的な考え方で、妻は自分が何をしてもついてきてくれる存在と思っていたので、この事件は、啄木の考えを揺るがした。啄木は、生活という問題を抜本的に解決する必要性を考えた結果、社会が不条理だと考えるようになった。

そうして啄木の思想に変化が生まれていた明治43年に大逆事件と韓国併合が起こる。啄木はこのとき、評論「時代閉塞の現状」と連作の短歌「九月の夜の不平」を残す。啄木はこの年の末に『一握の砂』を出版する。この『一握の砂』では「九月の夜の不平」34首のうち社会批判のすぐれた歌8首は載せていない。これは、発売から二年間問題のなかった楚人冠のエッセイ集『七花八裂』がこの年の9月に発売禁止になるなど、当時、多くの本が発禁処分されており、これらの歌を載せれば『一握の砂』も確実に発売禁止になる可能性があったからである。「九月の夜の不平」以外の作品のいくつかは、改作して『一握の砂』に載せている。原作より質を落としてでも、この時代の記念として残したかったのだろう。『一握の砂』の83パーセントが明治43年作の歌で占められている。これは明治43年に作った歌こそ啄木の歌風である、という主張があると見ることができる。

一方の楚人冠は大逆事件や韓国併合を直接主題として書いたものはない。しかし、何でもないエッセイの中に、婉曲な方法で時代風刺をしている思われる部分がある。表題だけで文句を言うなということを暗示した「非忠君非愛国主義」などはその一例である。

啄木から楚人冠への3通の手紙は、楚人冠らが生活に困窮していた啄木を支えるため、義捐金を啄木に届けたときのものである。しかし、その義捐金の一部を啄木は前から欲しかったクロポトキンの『ロシアの文学』購入にあてて、それを楚人冠に報告してくる。この時のことを楚人冠は呆れたと人に語っているが、実は楚人冠には啄木が本を買うことの予感があったのではないか。先が長くないことが分かっていても本を読みたい、知識を広げたいと思う啄木のインテリゲンチャとしての覚悟は楚人冠にもわかるはずだからである。楚人冠は啄木を深いところで理解していたと思う。

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