下水道事業のお金はどう動いたか/令和7年度キャッシュフロー計算書
はじめに
我孫子市下水道事業は、人口減少等に伴う下水道使用料収入の減少や施設の老朽化に伴う更新需要の増大等により下水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、本来使用料で賄うべき経費を使用料で賄うことができておらず、使用料の不足分に対して、一般会計からの税金によって補てんする状況が続いていました。
この状況を改善し、下水道事業の健全な運営を確保するため、令和8年4月1日から下水道使用料の改定を実施したところです。
過去からのキャッシュフロー計算書の改めての公表にあたって
令和8年4月1日からの下水道使用料の改定にあたり、一部の使用者から我孫子市下水道事業の経営は大丈夫なのかと心配されている声が聴かれましたので、現預金の流入と流出を記録(現預金の流れを見える化)したキャッシュフロー計算書のグラフを作成しました。
一般的にはあまり知られていませんが、下水道事業の経営は、地方公営企業法において、原則として税金などは使わずに、使用者の皆様にお支払いいただく「下水道使用料」で賄うことが法律で定められています。これを「独立採算制」といいます。
下水道は、主に道路の下に埋設されており、普段は目立ちませんが、トイレやお風呂、台所などで使った水を汚水管で下水処理場に運んできれいにすることで、衛生的で快適な暮らしを支えています。また、雨水を速やかに雨水管で利根川または手賀沼に排水することで浸水被害を防ぎ、安全な暮らしにも役立っています。
しかしながら、近年、下水道施設の老朽化が急速に進んでおり、他市では大規模な陥没事故の原因にもなっています。
今後も、安心・安全に下水道を使い続けるためには、下水道施設を計画的に改築していく必要があり、下水道を使用している皆様から適正に使用料をいただき、これらの投資に充てていく必要があります。
使用者の皆様からいただいている下水道使用料などの収入がどのように増減していったのかを、キャッシュフロー計算書を通して確認することができます。
なお、キャッシュフロー計算書の見かたや考え方について、初めての方でも簡単に見られるように説明資料を作成しました。
我孫子市下水道事業の令和7年度のキャッシュフロー計算書

| R7期首残高 | 291百万円 |
|---|---|
| 業務CF | (+)537百万円 |
| 投資CF | (-)649百万円 |
| 財務CF | (+)275百万円 |
| R7期末残高 | 454百万円 |
| キャッシュ増加額 | 163百万円 |
令和7年度は、業務CF、財務CFでプラスとなり、投資CFでマイナスとなりました。
浸水対策事業や地震対策事業、改築・更新事業が増加したことにより投資CFのマイナスが業務CFのプラスを上回ったが、企業債の借り入れを行っていることで、全体としてキャッシュは増加しました。
今後の投資規模や下水道使用料水準の妥当性を検証しながら、計画的に事業を実施していく必要があります。
我孫子市下水道事業の令和6年度のキャッシュフロー計算書

| R6期首残高 | 173百万円 |
|---|---|
| 業務CF | (+)584百万円 |
| 投資CF | (-)471百万円 |
| 財務CF | (+)5百万円 |
| R6期末残高 | 291百万円 |
| キャッシュ増加額 | 118百万円 |
令和6年度は、業務CF、財務CFでプラスとなり、投資CFでマイナスとなりました。
国庫補助金の収入額が減少したことなどにより、前年度に比べて投資CFのマイナスが増加したが、業務CFと財務CFのプラスが投資CFのマイナスを上回ったため、全体としてキャッシュは増加しました。
我孫子市下水道事業の令和5年度のキャッシュフロー計算書

| R5期首残高 | 56百万円 |
|---|---|
| 業務CF | (+)727百万円 |
| 投資CF | (-)353百万円 |
| 財務CF | (-)257百万円 |
| R5期末残高 | 173百万円 |
| キャッシュ増加額 | 117百万円 |
令和5年度は、業務CFでプラスとなり、投資CF、財務CFでマイナスとなりました。
設備投資及び企業債の返済を実施してもなお、全体としてキャッシュは増加しました。
我孫子市下水道事業の令和4年度のキャッシュフロー計算書

| R4期首残高 | 172百万円 |
|---|---|
| 業務CF | (+)536百万円 |
| 投資CF | (-)327百万円 |
| 財務CF | (-)325百万円 |
| R4期末残高 | 56百万円 |
| キャッシュ減少額 | 116百万円 |
令和4年度は、業務CFでプラスとなり、投資CF、財務CFでマイナスとなりました。
設備投資及び企業債の返済を実施により、全体としてキャッシュは減少しました。
我孫子市下水道事業の令和3年度のキャッシュフロー計算書

| R3期首残高 | 90百万円 |
|---|---|
| 業務CF | (+)577百万円 |
| 投資CF | (-)336百万円 |
| 財務CF | (-)159百万円 |
| R3期末残高 | 172百万円 |
| キャッシュ増加額 | 82百万円 |
令和3年度は、業務CFでプラスとなり、投資CF、財務CFでマイナスとなりました。
設備投資及び企業債の返済を実施してもなお、全体としてキャッシュは増加しました。
キャッシュフロー計算書から見た経営状況の分析
近年、浸水対策事業や汚水管の改築・更新、地震対策事業などの投資額の増加に伴い、投資キャッシュフローのマイナス額が増加傾向にあり、これらの事業の財源として借り入れる企業債の借入額についても増加傾向にあります。
業務キャッシュフローについてはプラスの状態が続いていますが、この中には、使用料の不足分に対して一般会計から補填された税金も含まれているため、「独立採算制」が原則である公営企業の経営上、適切な状況とは言えません。
下水道事業をとりまく環境は年々大きく変化していることから、今後も投資規模や下水道使用料水準の妥当性を検証しながら、持続可能な事業経営に努めます。
財務三表の関係
なお、キャッシュフロー計算書と同様に企業会計の財務状況を把握するための主要な財務諸表として、貸借対照表と損益計算書があり、キャッシュフロー計算書とあわせて「財務三表」とよばれています。貸借対照表と損益計算書は、それぞれ異なる視点から企業の状態を示しています。

財務三表の関係
下水道事業のキャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書の見かたや考え方について、初めての方でも簡単に見られるように説明資料を作成しました。

































