第2回の原発ADRの和解
東京電力ホールディングス株式会社と和解契約を締結しました
令和3年9月市議会に上程した和解に関する議案が可決されたことを受け、市は令和3年10月21日付けで東京電力ホールディングス株式会社と和解契約を締結しました。
和解の概要
市が和解仲裁を申し立てた原子力損害賠償紛争解決センターは、損害項目のうち、事業費の約7割にあたる22,000,000円を東京電力ホールディングス株式会社に支払い義務のある損害と認めました。
人件費については、「放射能対策に係る時間外勤務手当」53,107円のうち7割にあたる38,000円を損害として認めたものの、申立額の8割をしめる「放射能対策室職員の勤務時間内人件費、報酬等」は、全額が認められませんでした。
そのため、全体では申立額の14パーセントにあたる22,038,000円が損害として認められることとなり、東京電力ホールディングス株式会社と和解することとなりました。
なお、本和解契約には、清算条項のなかに「本和解に定める金額を超える部分につき、本和解の効力が及ばず、申立人が被申立人に対して別途損害賠償請求することを妨げない」と明記されており、和解しても、損害を認められなかった経費について改めて請求することができます。
申立額および和解額
損害項目 | 申立額 | 和解額 | 割合 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
事業費 |
ごみ焼却灰等放射性物質検査費 | 89,424円 | 0円 | 0 パーセント |
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ごみ焼却灰処理関係経費 | 30,829,460円 | 22,000,000円 | 71.4 パーセント |
100万円 未満切捨 |
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空間線量計消耗品費 | 3,991円 | 0円 | 0 パーセント |
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人件費 |
放射能対策室職員の勤務時間内人件費 | 124,598,031円 | 0円 | 0 パーセント |
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放射能対策室嘱託職員報酬等 | 1,298,309円 | 0円 | 0 パーセント |
||
放射能対策に係る職員時間外勤務手当 | 53,107円 | 38,000円 | 71.6 パーセント |
千円未満 切捨 |
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合計 | 156,872,322円 | 22,038,000円 | 14.0 パーセント |
和解受諾の判断理由
人件費以外の損害について相当因果関係がある損害として7割が認められており、市がこれまで主張してきたことが一定程度斟酌された内容であること、本和解案では、損害として認められなかった経費についても、賠償請求の権利を放棄するものでないこと、和解することによって早期賠償が実現できること、さらに、市の顧問弁護士からは、これを受諾することで市が不利益を被ることはないとの助言を得ていることなどから、和解することが適当であると判断しました。
和解にいたる経緯
本和解にいたる経緯については次のとおりです。
令和3年6月21日原子力損害賠償紛争解決センターが和解契約書案を提示
7月20日市が和解契約書案の受諾を回答
8月18日東京電力ホールディングス株式会社が和解契約書案の受諾を回答
原子力損害賠償紛争解決センターに第2回目のあっせんを申し立てました
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能対策に要した費用について、国の補助金等の交付対象とならないものは、事故の原因者である東京電力ホールディングス株式会社に請求してきました。
請求額の一部は支払われていますが、東京電力は、人件費や廃棄物処理に係る経費の一部の支払いには応じておらず、賠償に進展が見込まれないことから、次のとおり原子力損害賠償紛争解決センターにあっせんを申し立てました。
なお、今回の申し立ては、平成27年3月に申し立てた第1回目に引き続き申し立てるもので、前回認められなかった平成23年度から25年度の放射能対策室職員の勤務時間内人件費、嘱託職員報酬等を再度申し立てます。
申立日
令和2年3月30日(月曜日)
申し立て先
原子力損害賠償紛争解決センター第一東京事務所
(住所:東京都港区西新橋1の5の13第8東洋海事ビル9階)
申立額(平成23年度から29年度分)
156,872,322円
事業費 | ごみ焼却灰等放射性物質検査費 | 89,424円 |
---|---|---|
ごみ焼却灰処理関係経費 | 30,829,460円 | |
空間線量計消耗品費 | 3,991円 | |
人件費 | 放射能対策室職員の勤務時間内人件費 | 124,598,031円 |
職員時間外勤務手当等 | 53,107円 | |
嘱託職員報酬等 | 1,298,309円 |