下水道事業のお金はどう動いたか/令和2年度から令和6年度までの5年間の資金推移
はじめに
我孫子市下水道事業は、人口減少等に伴う下水道使用料収入の減少や施設の老朽化に伴う更新需要の増大等により下水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、本来使用料で賄うべき経費を使用料で賄うことができておらず、使用料の不足分に対して、一般会計からの税金によって補てんする状況が続いていました。
この状況を改善し、下水道事業の健全な運営を確保するため、令和8年4月1日から下水道使用料の改定を実施したところです。
令和8年4月から下水道使用料を改定しました。/令和8年9月から検針・請求を2か月に1回の実施に変更します。
過去からのキャッシュフロー計算書の改めての公表にあたって
令和8年4月1日からの下水道使用料の改定にあたり、一部の使用者から我孫子市下水道事業の経営は大丈夫なのかと心配されている声が聴かれましたので、現預金の流入と流出を記録(現預金の流れを見える化)したキャッシュフロー計算書のグラフを作成しました。
一般的にはあまり知られていませんが、下水道事業の経営は、地方公営企業法において、原則として税金などは使わずに、使用者の皆様にお支払いいただく「下水道使用料」で賄うことが法律で定められています。これを「独立採算制」といいます。
下水道は、主に道路の下に埋設されており、普段は目立ちませんが、トイレやお風呂、台所などで使った水を汚水管で下水処理場に運んできれいにすることで、衛生的で快適な暮らしを支えています。また、雨水を速やかに雨水管で利根川または手賀沼に排水することで浸水被害を防ぎ、安全な暮らしにも役立っています。
しかしながら、近年、下水道施設の老朽化が急速に進んでおり、他市では大規模な陥没事故の原因にもなっています。
今後も、安心・安全に下水道を使い続けるためには、下水道施設を計画的に改築していく必要があり、下水道を使用している皆様から適正に使用料をいただき、これらの投資に充てていく必要があります。
そこで、使用者の皆様からいただいている下水道使用料などの収入が年々どのように増減していったのかを、キャッシュフロー計算書を通して確認していきたいと思います。
なお、キャッシュフロー計算書と同様に企業会計の財務状況を把握するための主要な財務諸表として、貸借対照表と損益計算書があり、キャッシュフロー計算書とあわせて「財務三表」とよばれています。貸借対照表と損益計算書は、それぞれ異なる視点から企業の状態を示しています。

財務三表の関係
下水道事業のキャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書の見かたや考え方について、初めての方でも簡単に見られるように説明資料を作成しました。
また、下水道事業のキャッシュフロー計算書も、把握しやすいようグラフで作成しました。
1.キャッシュフロー計算書の見かたについて
下水道事業のキャッシュフロー計算書のグラフ
直近5年間のキャッシュフロー計算書を、見やすいグラフで表しました。
キャッシュフロー計算書から見た経営状況の分析
5年間のキャッシュフロー計算書を分析すると、令和2年度から令和5年度までは、業務キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがマイナスの状態が続いていましたが、令和6年度については、財務キャッシュフローがわずかにプラスになっています。これは、令和6年度の企業債の借入額が償還額を上回ったことによるものです。
近年、浸水対策事業や汚水管の改築・更新、地震対策事業などの投資額の増加に伴い、投資キャッシュフローのマイナス額が増加傾向にあり、これらの事業の財源として借り入れる企業債の借入額についても増加傾向にあります。
業務キャッシュフローについてはプラスの状態が続いていますが、この中には、使用料の不足分に対して一般会計から補填された税金も含まれているため、「独立採算制」が原則である公営企業の経営上、適切な状況とは言えません。
まとめ
我孫子市下水道事業では、使用料不足分への税金による補てんを解消することを目的として、令和8年4月1日に下水道使用料を改定しました。
下水道事業を取り巻く環境は年々大きく変化していることから、今後も、投資規模や下水道使用料水準の妥当性を検証しながら、持続可能な事業経営に努めます。







































