杉村楚人冠記念館 最新イベント
秋季企画展「出版で広める、広がる」
出版文化によって、情報がどのように人々に広がっていったのかをご紹介。
楚人冠と出版との関わりについても解説しています。
展示期間
令和7年9月30日(火曜日)から1月12日(月曜日・振替)まで
展示内容
1 江戸時代の出版
江戸で最も古い出版は元和年間、天文学に関する古活字印本であるとされています。その後も木活字の印刷が行われますが、民間書籍販売が活発になったのは明和3(1657)年ごろ。
浮世絵は17 世紀後半、菱川師宣により始まると言われています。浮世絵はその時代の流行に合わせて作品制作がされました。一点ものの絵画と異なり、大量供給が可能になった商品でした。ちなみに浮世絵は江戸時代の風俗を描いた絵画全般を指し、錦絵は浮世絵の一種で、多色刷りの木版画のことです。
2 広める素材
錦絵は広告としても利用されていました、例えば、今回展示している錦絵は両国回向院開催の加田淡嶌大明神出開帳の様子を広めるためにも作られました。
3 新しい出版文化
楚人冠の時代には広がる速度が急激に早まりました。その原因は紙版と考えられます。号外は電報を受け原稿を用意した後、活版・紙型・鉛版を作り、印刷し配達員に渡すまで約25 分で完了したそうです。
4 広く告げ知らせる
新聞の刊行部数を上げることは、売上につながるのはもちろん、広告収入を得るためにも必要なことでした。企業は、多くの読者がいる新聞に効率的に広告を出します。また、その広告は人目を惹く必要があります。そこで東京朝日新聞で採用されたのは、東京朝日新聞社の社員であった岡本一平がはじめた4コマ漫画でした。錦絵も広告となり、歌舞伎の興行と合わせて子ども向けの薬が宣伝されたり、活用されました。
歌川国貞 錦絵[開帳加田淡嶋大明神 回向院境内ノ図]
紙型
守川周重 錦絵[茶臼山凱歌陣立]
過去の企画展、講演会などイベントのリストへのリンクです
