令和8年度教育行政施策
令和8年度の教育行政の施策について申し上げます。
教育委員会では、教育施策の実現と生涯学習推進計画の更なる進展のため、令和6年度からの4年間を計画期間とする我孫子市第3期教育振興基本計画を策定しました。令和8年度は、引き続き、我孫子市第3期教育振興基本計画に位置づけた施策を着実に推進し、魅力ある教育と学習環境の充実を図ります。
令和8年度の教育施策の基本方針を「個性を尊重し、互いに学び合う、学校教育並びに生涯学習の推進」とし、施策を展開していきます。
第一の基本目標は、「確かな学力と豊かな心、健やかな体を育み、子ども一人ひとりがいきいきと輝く魅力ある学校づくりの推進」です。
一つ目の重点は、「学校教育環境の充実」です。
はじめに、安心して快適に学べる教育・学習環境の充実です。
湖北小学校体育館は、2月2日に開催された市議会臨時会で工事請負契約の締結について承認をいただき、翌日に本契約を締結し、工事に着手しています。今の5年生が新しい体育館で卒業式を行えるよう、令和9年2月の竣工を目指して事業を進めていきます。
引き続き多くの方から励ましなどの温かいお言葉とともに御寄附をいただいており、この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
次に、老朽化した小中学校施設については、建築からの年数の経過により老朽化が進んでいることから、その安全確保のため、機能維持や建替えのための費用が増え続けることが見込まれています。今後も引き続き、我孫子市学校施設個別施設計画に基づき、予算の平準化とトータルコストの縮減を図りながら、計画的保全による施設の長寿命化対策を進めることで、児童生徒が快適で安心な学校生活が送れるよう、適切な維持管理を実施していきます。
次に、水泳指導の民間委託についてです。児童の泳力向上や熱中症対策、施設維持管理費との費用対効果などが期待できることから、令和3年度から順次委託化を進め、令和7年度に全小学校の水泳指導の民間事業者への委託が完了しました。引き続き、民間の高い指導力等を活用し、水泳指導を実施していきます。
次に、信頼される学校づくりの推進、教職員の意識高揚を図る職場環境づくりについてです。令和6年9月に「我孫子市小中学校職員の働き方改革推進プラン」、令和5年6月に「部活動の在り方に関するガイドライン」を一部改訂し、教職員の働き方改革推進に努めてきました。令和7年6月には、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律が公布され、学校における働き方改革の一層の推進が必要となることから、令和8年4月に「我孫子市小中学校職員の働き方改革推進プラン」及び「部活動の在り方に関するガイドライン」の一部改訂を行います。
次に、布佐中学校区の学校の在り方についてです。令和7年6月に改訂した我孫子市学校施設個別施設計画では、布佐中区義務教育学校の建設を令和14年度から令和16年度にかけて位置付けています。
現在、建設予定地の課題などの整理、また、跡地利用についての検討を行っています。今後、市長部局とも十分に協議しながら、我孫子市初の義務教育学校としてより良いものとなるよう事業を進めていきます。
二つ目の重点は、「子どもがいきいきと輝く学校づくり」です。
まず、幼児教育と小学校教育との連携・小中一貫教育の推進です。幼児教育と学校教育の接続を重視した幼保小連携の推進については、「我孫子市幼保小連携・接続カリキュラム」を通じて、幼稚園、保育園、認定こども園と小学校の交流活動や目指す子どもの姿を共有しながら、育ちや学びの接続を図っていきます。
小中一貫教育の推進については、平成25年度から「小中一貫教育の研究・推進」に取り組み、平成31年度から全ての中学校区で小中一貫教育を実施しています。令和4年度より教育委員会から任命された保護者や地域住民の方が一定の権限と責任を持って学校運営に参画する仕組みとして、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)がスタートし、市内全小中学校に学校運営協議会を設置しています。学校運営協議会が承認した中学校区ごとの小中一貫教育基本方針に基づいて、学校運営を行っていきます。
また、小中一貫教育とコミュニティ・スクールの一体的推進を目指し、学校と地域住民が連携して活動しています。令和6年度より各中学校区で小中学校9年間の一貫したテーマを決め、地域の特色を生かしたオリジナルカリキュラムを作成しています。今後もより良い授業づくりを目指し、地域との交流を深めながら小中一貫教育の推進に取り組んでいきます。
続いて、地域とともにある学校づくりです。5年目となるコミュニティ・スクールのさらなる充実を図るとともに、学校と地域が子育ての目標やビジョンを共有し、学校経営のパートナーとして連携・協働していくことで、地域に根差した教育を推進していきます。また、子どもたちの未来を育む豊かな学びと体験活動を実現させるため、市内全小中学校に地域学校協働本部を置き、地域の自然環境や教育資源の積極的な活用に努めていきます。子どもたちの学びや活動を一体的に支援するためにも社会教育団体や大学・高校を含めたボランティア等のネットワークを構築し、学校と地域の双方向から連携・協働できるよう、未来を担う子どもたちの成長を支える体制を整備していきます。
中学校の部活動については、少子化対策や教職員の働き方改革等、さまざまな課題を踏まえ、生徒がスポーツや文化芸術活動に継続して親しむ機会を確保できるよう、休日部活動の地域展開を進めていきます。
これまで、国・県の委託による実証事業として、令和6年度は、白山中学校の3つの部活動、令和7年度は、市内全中学校の各校1部活動以上を対象とし、24の部活動について段階的に地域展開を実施してきました。この実績を踏まえ、令和8年9月より市内全中学校のすべての部活動を対象として、休日の活動を地域クラブ活動とします。地域クラブ活動の導入後は、活動の維持・運営に必要な経費の一部を会費(受益者負担)として負担していただくことになります。なお、本事業の管理運営については、教育委員会とNPO法人我孫子市スポーツ協会が連携し、安全で質の高い活動となるよう、地域クラブ活動の充実に取り組んでいきます。
次に、確かな学力の育成です。学校におけるICTの効果的な活用については、引き続き、タブレット型端末を活用した学習や情報モラル教育を進め、児童生徒の発達段階に応じた情報活用能力の育成に取り組んでいきます。令和7年9月に児童生徒のタブレット型端末や学習ソフトウェア、ネットワーク等を再整備し、今まで以上に学習支援ソフトウェアを活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図ります。また、同じく再整備した校務支援システムを活用し、教育データ利活用や校務DXによる働き方改革を進め、組織的かつきめ細かな児童生徒への指導を実現していきます。
次に、長期欠席児童生徒支援事業の強化です。不登校児童生徒への支援は、喫緊の課題です。教育支援センター「かけはし」「ひだまり」を中核として、児童生徒と保護者の意向を確認し、学校や関係機関と連携を図りながら、実態に合った教育を支援していきます。
校内教育支援センターは、登校できるが、在籍する学級での教育活動に参加することが難しい児童生徒が利用しています。なかには、在籍する学級と行き来する子や教室復帰を果たした児童生徒もいます。令和7年度には、校内教育支援センターの全校設置が完了し、各校へ校内教育支援センターコーディネーター・指導員を配置しています。また、心の教室相談員やスクールソーシャルワーカー等、専門スタッフによる学校のサポート体制を強化し、学校が原因となる長期欠席児童生徒の解消に取り組んでいくとともに、子どもたちの学びの場を確保していきたいと考えています。
次に、いじめ・非行防止対策です。いじめは絶対に許されない行為であり、どの子どもにも、どの学校においても起こり得るものであることを十分認識するとともに、集団の中で子どもたちがお互いの個性を認め合えるよう継続的に指導しています。
いじめの防止及び早期発見・早期解決を図るため、年2回の「我孫子市いじめについてのアンケート」と小学校3年生から中学校3年生までを対象とした「WEBQU(子どもたちの学校生活における満足度と意欲、学級集団の状態を調べることができるアンケート)」を実施しています。
アンケート結果を基に、指導主事や教育相談センター職員などを学校に派遣し、児童生徒の観察や学校へのアドバイスを行っています。
また、悩み相談ホットラインを通して、児童生徒や保護者から寄せられるさまざまな悩みに寄り添うとともに、全ての児童生徒が安心して生活し、健やかに成長することができるよう、環境整備に向けた検証と改善を行っていきます。
非行防止対策については、少年指導員、防犯協議会などと協力し、不審者情報の発信や街頭パトロール、啓発活動等、非行防止活動に取り組んでいます。また、問題解決に向けて迅速に対応するため、学校や関係課、警察等の関係機関と引き続き連携していきます。
三つ目の重点は、「子どもの成長に応じた発達への支援」です。
児童生徒一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援体制の構築と教育相談・支援体制の充実を図ります。
帰国・外国人児童生徒への支援体制の整備については、引き続き、対象児童生徒に対する通訳の派遣や日本語指導等の支援体制を推進していきます。
次に、特別支援教育の推進についてです。教育相談センターでは、特別な配慮を必要とする就学予定の児童生徒に対し、適正な就学の支援を行うため、本人の状態、保護者の意向や学校の状況、医師や心理学等専門的見地からの意見を踏まえ、教育支援委員会を中心に総合的な観点から就学先を決定しています。
就学後においても一貫した支援を行うため、児童生徒一人ひとりに合わせた個別の教育支援計画・個別の指導計画等を作成するとともに、特別支援教育アドバイザーを派遣し、引き続き、学校全体で支援体制の強化を図っていきます。
また、言語聴覚士の学校巡回により、ことばやきこえに心配のあるお子さんを支援していきます。
第二の基本目標は、「市民が地域の自然や文化に愛着を持ち、豊かな人生を送ることができる環境づくりの推進」です。
一つ目の重点は、「生涯学習環境の充実」です。
学びたいときに学べる学習機会の充実を図るとともに、人づくり・まちづくりにつながる学習活動を支援していきます。また、公民館、鳥の博物館、図書館などの学習施設について整備と充実に取り組んでいきます。
鳥の博物館では、触れるバードカービングを備えた鳥の鳴き声体験装置を導入するため、クラウドファンディングを実施し、84名の方から273万3,000円のご支援をいただき、目標を達成することができました。御支援をいただいた皆様、誠にありがとうございます。
カービングは、バードカービングの第一人者である市内在住の内山春雄さんに作製いただき、目の不自由な方も鳥の形や大きさを体験していただけます。訪れるすべての方々に豊かな体験を提供できるよう、作製の準備を進め、令和8年3月下旬に導入予定です。
図書館では、図書館から離れた地域にお住まいの方や来館が困難な方にも図書館サービスを提供するため、積極的に移動図書館車を活用していきます。ミニ移動図書館めるへん号を導入し、令和7年12月から高野山小学校への学校巡回、令和8年1月から保育園・幼稚園などの施設・団体等への運行を予約制で開始しました。
また、電子図書館サービスのさらなる活用を進めるとともに、関係各課と連携し、歴史文化財資料をデジタルアーカイブ化することで、子どもたちの調べ学習や市民の皆様の学習機会の充実を図っていきます。
二つ目の重点は、「歴史文化財の保存・継承と文化の振興」です。
文化芸術活動への支援と環境整備については、市民文化団体との連携を図り、市民の自主的な文化芸術活動を支援していきます。伝統文化や郷土芸能を次世代へ継承するため、体験を通じて文化を身近に感じてもらい、興味を持つ入口となるよう「みんなの文化体験会」や「郷土芸能体験教室」を継続的に実施していきます。また、文化祭・音楽コンサート等、市民の皆様が文化芸術活動に積極的に参加できるよう活動や発表の場を提供するとともに、舞台鑑賞事業等を通して、子どもたちが舞台芸術に触れる機会の充実を図り、文化芸術活動が発展していくための環境を整備していきます。
歴史的・文化的遺産の整備・活用では、「我孫子市文化財保存活用地域計画」に基づき、旧井上家住宅や白樺文学館、志賀直哉邸跡書斎、杉村楚人冠記念館など市内の史跡や文化財により親しみを持っていただけるよう保存活用を進めていきます。
白樺文学館では、資料の保存と展示活用による集客を目的として、令和6年度に市内の個人宅より発見された志賀直哉直筆の草稿ノートの修復とレプリカ作成を行います。クラウドファンディングによる積極的な資金調達を行うとともに、白樺文学館を広く知ってもらえるよう、効果的な情報発信とファン層の拡大を図っていきます。
埋蔵文化財や歴史資料の調査・研究では、市内に所蔵されている古文書や民具などの資料調査を進め、データベースとして順次公開し、調べ学習の機会を増やせるよう活用できる仕組みを整備します。
また、令和6年度より開始した我孫子市文化財ボランティア制度を充実させ、文化財施設のガイドボランティアや資料調査ボランティアを通して、イベントや展示解説にご協力いただき、文化財施設のさらなる魅力アップを図っていきます。
三つ目の重点は、「スポーツの振興」です。
生涯スポーツの推進では、「我孫子市スポーツ推進計画」に基づき、スポーツ推進委員等と連携し、7つの総合型地域スポーツクラブの育成と支援を行うとともに、生涯スポーツを支えるスポーツ指導者の養成に努めます。また、千葉県のパラスポーツコーディネーター派遣事業を活用し、障害のある方が年間を通じてパラスポーツに親しめる環境を整備します。
スポーツを楽しむ機会の充実では、初心者から上級者まで、年齢を問わず一緒に楽しめるランニングイベント「手賀沼チームラン・キッズラン うなきちカップ」をはじめ、ファミリースポーツテスト、ボールゲームフェスタ等、スポーツに親しめる機会の創出に努めていきます。
以上、教育委員会の施策について申し上げましたが、事業の推進に当たり、議員の皆様・市民の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。













