水道局のお金はどう動いたか/令和2年度から令和6年度までの5年間の資金推移
はじめに
現在の我孫子市水道事業は、水道料金収入で水道事業の運営にかかる費用を回収できていない状況であり、昨今の物価高騰により、回収できない状況はますます悪化する見込みでした。
また、令和8年度から令和10年度にかけて、老朽化する水道施設等の更新に多額の費用を見込んでいます。
この状況から、経営の安定化を図るために令和8年4月1日から水道料金の改定を実施したところです。
過去からのキャッシュフロー計算書の改めての公表にあたって
令和8年4月1日から水道料金の値上げにあたり、一部の利用者から我孫子市水道局の経営は大丈夫なのかと心配されている声が聴かれたため、現預金の流入と流出を記録(現預金の流れを見える化)したキャッシュフローのグラフを作成しました。
一般的にはあまり知られていませんが、水道事業の経営は、地方公営企業法において、原則として税金などは使わずに、使用者の皆様にお支払いいただく「水道料金」でまかなうことが法律で定められています。これを「独立採算制」といいます。
普段何気なく、私たちは蛇口をひねれば安全な水が飲めますが、海外ではこの“当たり前”は通用しません。実は、水道水をそのまま飲める国は、国土交通省の資料によると、日本を含めて世界196カ国中わずか9カ国ほどと言われています。それほど、日本の水環境は世界的にも“奇跡”に近いレベルなのです。
安全な水道水を未来にも引き継いでいくためには、水道管や水道施設を更新する必要があり、水道料金には設備投資の金額も含まれています。
そこで利用者の方からいただいている水道料金などの収入が年々どのように増減していったのか確認していきたいと思います。
「財務三表」について、キャッシュフロー計算書と同様に企業会計の財務状況を把握するための主要な財務諸表として、貸借対照表・損益計算書があります。他の二表は、それぞれ異なる視点から企業の状態を示しています。

財務三表の関係
水道事業のキャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書の見かたや考え方について、初めての方でも簡単に見れるように説明資料を作成しました。
また、水道局のキャッシュフロー計算書も、把握しやすいようグラフで作成しました。
キャッシュフロー計算書の見かたについて
水道局のキャッシュフロー計算書のグラフ
直近5年間のキャッシュフロー計算書を簡単に確認できるようにグラフ化しました。
キャッシュフロー計算書をから見た経営状況の分析
5年間のキャッシュフローを分析すると、現在の水道事業は、投資キャッシュフローのマイナスが大きいことから、財務キャッシュフローがプラス、つまりお金の借り入れて事業を行っている状況であり、また、毎年借り入れを行っていることが分かります。
業務キャッシュフローがプラスであり、また、資金残高がある程度確保されていることから、そこまで経営状況が悪化しているとは言えません。
ただし、借り入れが大きくなると、返済にかかる費用も大きくなってしまうことから、このまま借り入れが続くと経営状況に影響を及ぼすと考えられます。改善のためには、業務キャッシュフローのプラス額を増やし、投資キャッシュフローのマイナス額を減らすことでお金の借り入れが必要なくなる状態にする必要があります。
まとめ
借り入れが続くことは望ましいことではありません。しかし、今後も水道管などの設備更新に多額の費用がかかることから、安定的な経営を行うために、今後も借り入れについては検討していきます。
設備の更新を続けるため、また、借り入れを抑えるためにも、事業収支の改善が必要であることから、約40年ぶりに水道料金の値上げ改定を令和8年4月に実施しました。
今後は、投資が過大にならないよう事業規模の見直しを行い、投資額を節減し、持続可能な事業経営に努めます。


















