新木南部遺跡群発掘調査の再整理事業
新木南部遺跡群
新木地区から布佐地区にまたがる新木駅の南側55ヘクタールについて、区画整理事業が計画されたことに伴い、我孫子市教育委員会では昭和60年度に現地踏査を行いました。現地踏査の結果、対象地区55ヘクタールの内34ヘクタールについて、昭和61年度に確認調査を実施しています。
確認調査の結果、新木南遺跡・イチゴ尻遺跡、西大作遺跡・北大作遺跡・羽黒前遺跡・羽黒前古墳の6遺跡の範囲で遺構が確認され、平成2年度から平成7年度まで発掘調査が実施されました。確認調査を含め、発掘調査の年次は以下のとおりになります。
昭和61年度 確認調査
平成2年度 新木南遺跡、イチゴ尻遺跡
平成3年度 西大作遺跡1次
平成4年度 西大作遺跡2次
平成5年度 羽黒前遺跡4次
平成6年度 羽黒前遺跡5次(羽黒前古墳)、北大作遺跡
平成7年度 羽黒前遺跡6次
新木南部遺跡群の再整理事業は令和4年度から実施され、令和4年度は確認調査・新木南遺跡・イチゴ尻遺跡、令和5年度と令和6年度の2か年で北大作遺跡についての発掘調査報告書が刊行されました。各遺跡の概要は以下のとおりです。
新木南遺跡
・縄文時代早期の炉穴が9基、土坑1基
・4世紀から5世紀の竪穴建物8棟
・7世紀から8世紀の竪穴建物3棟
・9世紀から10世紀の竪穴建物9棟、土坑2基、骨臓器1基
・中世の土壙墓1基
・近世の土壙墓1基
・近世以降の土坑10基、溝7条
・時期不明の石室(古墳?)2基
イチゴ尻遺跡
・8世紀の土坑1基
・9世紀の竪穴建物2棟
北大作遺跡
・旧石器時代のブロック12基
・縄文時代早期の炉穴5基
・縄文時代前期の竪穴建物7棟、
・縄文時代の落とし穴1基
・8世紀の竪穴建物5棟、土坑1基
・9世紀から10世紀の竪穴建物47棟、土坑8基
・近世の土壙墓5基
・近世の土坑3基
・近現代の馬墓7基
北大作遺跡では旧石器時代のブロックが12基確認されています。これは市内でも我孫子地区の後田南の19ブロックに次ぐブロック数で、湖北地区の鹿島前遺跡でも10基程度のブロックが確認されており、旧石器時代人が市内全域で広く活動していた様子がうかがい知れます。
令和7年度現在、西大作遺跡1次の調査報告書刊行作業を進めており、現段階での概要は以下のとおりです。
西大作遺跡1次
・旧跡時代の石器15点
・縄文時代前期の竪穴建物27棟
・4世紀から5世紀の竪穴建物1棟
・7世紀の竪穴建物1棟
・9世紀の竪穴建物9棟
令和8年度以降については西大作遺跡2次、羽黒前遺跡4次、羽黒前遺跡5次(羽黒前古墳)、羽黒前遺跡6次の調査報告書を順次刊行していく予定です。





