No.12 はじまりのマルシェ
手賀沼公園を抜けて手賀沼沿いの遊歩道を歩くこと5分。我孫子市若松の住宅街に佇む空き家を再生し、毎月第3土曜日に開催されているのが「はじまりのマルシェ」です。生活雑貨やカフェ、無農薬野菜の直売、アート作品の展示など月替わりでさまざまなお店が出店しています。
この場を生み出したのは、地域のブランディング・パートナーとして活動する大坪祐三子さん。自身も学生時代を我孫子で過ごし、「人や自然を大切にする価値観の軸を育ててもらった我孫子でお役に立てたら」という想いから、空き家を活用したクリエイティブスペース「NHUMA(ヌーマ)」を運営しています。
「好きなことを生業にしていきたいけど、いきなり一人で始めるのは不安」という思いを持つ人たちが、気軽にチャレンジできる機会を作っています。また、我孫子への移住や開業を検討している方にとっては、地域住民と交流しながらリアルな暮らしのイメージをつかめる場でもあります。大坪さんは「引っ越す前に住民と親しく接する機会はなかなかありません。我孫子の暮らしのプレ体験の場として気軽に参加してもらえたら」と話します。
さらに、空き家の改修には廃材や廃棄される予定だった植木を活用。福祉事業所の方をはじめ、活動に共感した市内外の方の手を借りながら改修をみずから手がけ、誰もが参加できる創造の場を作り上げています。
取材の日にはシニアから子どもまで幅広い世代の人が訪れ、にぎわいを見せていました。1年目には延べ500名の地域住民が参加し、県外や海外からの来場者も増えているそうです。
今後の展望について、大坪さんは「我孫子の自然環境を活かしながら、手賀沼をお散歩したり、作品作りに没頭して自分を見つめ直す。地元食材を使った料理をいただきながら自分を癒すなど、一人ひとりの人生を豊かにするきっかけとなるリトリートプログラムを展開していきたいと思っています」と話します。
それぞれの起点が交わる「はじまりのマルシェ」。あなたも、暮らしの中に新しい一歩を見つけてみませんか?
【はじまりのマルシェ】
開催日時:毎月第3土曜日 午後2時から午後6時
会場:我孫子市若松119の4 creative space NHUMA(ヌーマ)
文:寺田さおり
