金塚古墳出土石枕を展示中!
我孫子市水道局(我孫子1684番地)一階にて、金塚古墳(根戸)から出土した石枕・立花を展示しています。
金塚古墳の概要
金塚古墳は我孫子市根戸に位置する墳長約20mの円墳で、発掘調査で主体部(亡くなった人を納めたところ)からは短甲(鉄製のよろい)や矢じり、鉾などの武器・武具が多く出土しています。
規模や副葬品の組み合わせがよく似ている柏市の花野井大塚古墳と共通して、被葬者には武人的な性格が考えられます。
金塚古墳のより詳細な情報についてはこちら:金塚古墳の概要(電脳考古博物館)
石枕・立花
こうした出土資料の中で特筆されるものに、石枕と立花があります。
石枕は文字通り石製の枕で、文字通り死者の頭を置いたと考えられます。立花は、2個の勾玉を背中合わせにしたような飾りに、軸がついた装飾です。
石枕と立花は、現在の佐倉市や成田市を中心として分布していて、金塚古墳の石枕は柏市弁天古墳のものと並んで、主な分布範囲の西の端にあたります。
石枕の頭を置くくぼみの周りには小さな孔が開いています。ここに立花の軸の部分がすっぽりはまることから、立花はこれらの孔に立てられたと考えられます。
ただ、石枕に開いている孔は10あるのに対し、発掘調査で出土した立花はたった一つです。もとから一つだったのか、ほかにも立花があったのか、そしてどのように埋葬にあたって使われたのか、謎の多い資料です。
金塚古墳出土の石枕・立花
石枕と立花はともに滑石と呼ばれる石材で作られています。石枕の側面はきれいに整えられることが多いのですが、金塚古墳のものはデコボコした状態のままになっており、比較的粗雑なつくりとなっています。
