繁殖期のカラスにご注意ください
カラスの種類
我孫子市では、ハシブトガラス、ハシボソガラス、コクマルガラス、ミヤマガラスが確認されています。一般的に「カラス」と呼ばれるのは、ハシブトガラス、ハシボソガラスです。
ハシブトガラス
ハシボソガラス
特徴(種類の比較)
- ハシブトガラス:嘴が太く、額が出っ張って見えて「カァカァ」と澄んだ声で鳴く森林にいるカラスです。【英名 Jungle Crow(密林のカラスという意味)】飛びながらも食べ物を探しますが、木にとまり辺りを見回して食べ物を探すのが基本です。巣も林や森の中の樹木に作ります。
- ハシボソガラス:嘴は細く、額の出っ張りが無く、「ガァガァ」と濁った声で鳴きます。開けた環境で生活していることが多く、本来は、草原などを好み、歩きながら食べ物を探します。巣は、草原の中にある木や、林の縁にある木に作ります。
繁殖期のカラスにご注意!
3月頃から巣作りを開始、4月から5月に産卵、6月から8月にヒナが巣立ちます。
特に6月から8月の巣立ちの時期は、注意が必要です。ヒナが羽ばたきを始め、うまく飛べないヒナが巣の下の道路や公園、庭等に落ちることがあり、親鳥はそのヒナを必ず木や電線の上から見守り、辺りを監視しているため、もしその場に遭遇した場合は、巣やヒナに近づかずに、なるべく迂回するようにしましょう。
威嚇行動
カラスが人を攻撃するのは、主に繁殖期のヒナを守ろうとする行動で、カラスだけではなく、ほとんどの動物に子を守る習性があります。
カラスは、いきなり人を襲うわけではなく、攻撃に至るまでにいくつかのプロセスがあります。
(1)巣に近づく人を見たら、敵とみなし高所から様子を伺う。
(2)存在を誇示するため、激しく大きな声で「カァカァ」と鳴く。
(3)「カァカァ」と鳴きながら上空を旋回する。
(4)止まっている木や電線を嘴で突いて、激しく音を出す。
(5)止まっている木の小枝を折り、その枝や葉を落とす。
(6)最終警告として、「ガァガァ」と濁った声で鳴く。
(7)それでも人が遠ざからない場合は、後方から低空で飛び、人の頭付近をかすめ飛んだり、後頭部を足で蹴っていきます。
また、よくカラスに嘴で突かれると心配する方もいます。しかし、カラスの攻撃は、ほとんどの場合は、巣に近づく者を遠ざけようとする威嚇行動なので、カラスが頭から体当たりするなどの攻撃はしてきません。
威嚇の対処
- 巣やヒナのいる場所から離れれば、威嚇や攻撃は収まります。
- カラスは後ろから攻撃してくるため、背を向けずその場を離れましょう。やむをえず背を向けなければならない場合は、帽子やカバン、傘などで後頭部を守りましょう。
- 巣を見つめていると、巣を狙っていると認識します。
事例
(1)マンションのそばにある樹木の巣があり、屋上の人が覗きこんだ場合。
(2)家のベランダと同じ高さに巣がある場合。
(3)街路樹に巣があり、人が歩道橋を歩く場合。
などという場合があります。また、人が気づかずにカラスの攻撃を誘発している場合があるので、巣があることに気づいても、安全のために見ないふりをして通り過ぎましょう。
巣を作らせないための対策
ごみ集積場の対策
- ごみは、収集日・時間を守って出しましょう。
- ごみが荒らされないように、集積所のネットをきちんとかけましょう。
- ごみ袋の口をきっちり止め、生ごみは袋の奥に見えないように入れるなどの工夫をしましょう。
樹木の選定
- 繁殖後は、再び巣を作られないように樹木の選定をしましょう。
- 地面からの見通しの悪い二股、三股にわかれている枝の選定をしましょう。
その他
- エサを絶対に与えないようにしましょう。(人は食べ物をくれると学習し、人を恐れなくなります。)
- 野外にペットのエサを放置しないようにしましょう。
- 巣の材料となる針金ハンガー等を物干しに放置しないようにしましょう。