令和5年度 教育施策
我孫子市教育施策
令和5年度我孫子市教育施策
『我孫子市教育施策』は、教育委員会議の審議を経て、毎年度定めています。施策の展開にあたっては、積極的に情報を発信するなどして、市民の皆様と情報の共有を図りながら社会全体で「生きる力」をより一層育み、施策の基本方針である「個性を尊重し、互いに学び合う、学校教育並びに生涯学習の推進」を目指していきます。
【基本方針】
個性を尊重し、互いに学び合う、学校教育並びに生涯学習の推進
【目標】
I.子どもの創造性と自主性を育む教育の充実
重点施策1.学校教育の充実
(1)心身ともに健康な児童生徒の育成
- 思いやりのある豊かな心、社会性を育む規範意識を醸成する人権教育、体験活動及び道徳教育の充実
- 望ましい生活習慣につながる健康教育・食育の推進
- 心身の健全な発達を支える学校体育の充実
- 情操豊かな心を育てる文化的行事や学習活動の支援
(2)確かな学力の育成
- 「主体的・対話的で深い学び」の実現にむけた授業改善の推進
- 生きて働く「知識及び技能」の習得、未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」、学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」の育成
- 指導方法や指導体制の工夫改善による「個に応じた指導」の充実
- ICT環境の整備による個別最適な学びと協働的な学びの充実及び情報活用能力の育成
- ユニバーサルデザインの視点による全員がわかる授業づくり
- 学級経営の支援(Q-U検査の活用)と指導力の向上
- 児童生徒及び教職員の学校図書館活用の推進
- 外国語・外国語活動における指導力の向上及びALTの活用
(3)幼児教育と小学校教育との連携・小中一貫教育の推進
- 幼児教育・保育から小学校教育への円滑な接続や、いわゆる「小1プロブレム」の解消などに向けた幼保小連携の推進
- 郷土愛を育み、未来を拓く力と輝く心の育成をめざす、義務教育9年間を見通した小中一貫教育の推進
- 中学校区ごとに目指す15歳の生徒像を基にして作成したグランドデザインを掲げ、地域の特色と人材を最大限に活かした小中一貫教育の推進
- 学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる資質・能力を育成するキャリア教育の充実
(4)安心して快適に学べる教育・学習環境の充実
- 児童生徒の安全確保と防災体制・安全教育・防災教育の充実
- 小中学校における教育機器などの整備と充実
- 我孫子市公共施設等総合管理計画に基づく学校施設の個別施設計画の推進
(5)信頼される学校づくりの推進、教職員の意識高揚を図る職場環境づくり
- 子どもと向き合う時間の確保を目的とする「我孫子市学校職員の働き方改革推進プラン」の実施
- 学校評価を活用した学校運営の改善
- 情報の積極的な発信と保護者・地域への丁寧な説明
- 教職員全員で取り組む不祥事防止対策及びモラールアップ委員会の充実
重点施策2.地域に根ざした教育の充実
(1)地域とともにある学校づくり
- コミュニティ・スクール(学校運営協議会の設置)による学校と地域との連携・協働体制の構築
- 地域学校協働活動推進事業の推進
- 地域の大学・高等学校との連携強化による児童生徒への学習支援の推進
(2)地域に密着した学習の場の提供
- ふるさと我孫子の資源を活用した学習の推進
重点施策3.子どもの成長・自立への支援
(1)教育相談・支援体制の充実
- 一人ひとりの教育的ニーズに対応した特別支援教育の推進
- 特別に支援を要する児童生徒への支援体制の充実
- 教育相談を充実させるシステムの構築
- 自立と社会参加を目指した相談体制の整備
- 不登校予防や解消に向けた支援体制の充実と関係機関との連携強化
- 我孫子市教育支援センター(適応指導教室)の機能強化
- 就学支援の充実
- 帰国・外国人児童生徒への日本語支援体制の整備
(2)いじめ・非行防止対策の推進
- 我孫子市いじめ防止対策推進条例に沿ったいじめの予防、早期発見と対処及び解消
- 学校・市ほか関係機関との連携強化と相談窓口の充実
- 街頭パトロールの実施、青少年育成団体との連携強化による少年の非行防止活動の推進
- 警察・生活安全関係機関との連携強化
(3)子ども部及び健康福祉部との連携強化
- 療育・教育システムの充実
- 児童虐待の早期発見や児童生徒の自殺防止対策等についての連携強化
II.市民が生涯にわたって生き生きくらすための学習体制の充実
重点施策1.生涯学習環境の充実
(1)学びたいときに学べる学習機会の充実
- 公民館の学級・講座や生涯学習出前講座の充実
- 鳥の博物館の教育普及活動の拡充
- 図書館サービスの充実、市民の読書活動の推進
- 移動図書館車の積極的な活用
(2)人づくり・まちづくりにつながる学習活動の支援
- 時代の変化や地域の課題に対応した学習機会の提供
- 学んだ成果を社会や地域で活かせる人材の育成・活用
(3)学習施設の整備・充実
- 公民館、図書館、鳥の博物館などの施設・機能の充実
(4)市民の学習活動を支える体制の整備
- 生涯学習推進計画に基づく施策の推進
- 生涯学習に関する情報の収集・提供と相談体制の整備・充実
- 市民活動団体・NPO法人・学校・企業等との連携強化
- 生涯学習ボランティアの育成・活用
- 子ども部等と連携した、子どもの読書活動推進計画の推進
重点施策2.スポーツの振興
(1)スポーツ施設の管理・整備と民間施設等の活用
- スポーツ施設の適正な維持管理
- 民間スポーツ施設の活用や近隣市施設の相互利用の推進
(2)生涯スポーツの推進
- スポーツ推進委員と連携した総合型地域スポーツクラブの育成・支援
- 生涯スポーツを支えるスポーツ指導者の養成
- スポーツ推進計画の推進
(3)スポーツを楽しむ機会の充実
- 市民が気軽に参加できるスポーツイベント等の開催
重点施策3.文化芸術活動への支援と地域文化の継承
(1)文化芸術活動への支援と環境整備
- 後援等の事業による文化芸術活動の充実
- 既存施設の効率的利用の促進
- 新たな大規模ホールを含めた文化施設の調査研究
(2)新たな文化芸術活動の創出
- 文化芸術活動や団体に関する情報の発信
- 文化芸術活動にふれる機会や参加する機会の充実
- 文化芸術活動団体との協働のしくみを見直し、新たな魅力の創出
(3)地域文化・郷土芸能の保存と継承
- 生活文化や郷土芸能の聞き取りや現地踏査などの調査・研究
- 生活文化や郷土芸能の継承
(4)歴史的・文化的遺産の整備・活用
- 指定文化財制度や文化財登録制度による文化財の保存・活用
- 文化財保存活用地域計画に基づく整備・活用の推進
(5)埋蔵文化財や歴史資料の調査・研究
- 埋蔵文化財や歴史資料に関する調査・研究の推進
- 埋蔵文化財や歴史資料に関する報告書・資料集等の刊行
(6)歴史的・文化的遺産に関する情報発信の拡充
- 歴史的・文化的遺産を公開する場や機会の確保
- 地域の歴史や文化に親しめる環境づくりの推進
注記1:ICT(情報コミュニケーション技術):Information and Communication Technologyの略。
国のGIGAスクール構想(※)に基づき、市内小中学校の全児童生徒にタブレット端末配置と、高速通信環境を整備し、学習で活用しています。学習活動の充実や、急速に変化する情報社会に求められる能力の育成に取り組んでいます。※GIGA(ギガ)スクール構想:GIGA=Global and Innovation Gateway for Allの略。子どもたち一人ひとりに合った学びの実現や、これまでの教育活動とともに情報通信技術を活用する取り組みです。
注記2:ユニバーサルデザイン
学力の優劣や発達障害等の有無に関わらず、すべての児童生徒が「楽しくわかる・できる」ことを目指し、教科指導における工夫や様々な子どもへの配慮を駆使して行う授業。
注記3:Q-U検査(学級診断尺度調査):Questionnaire-Utilitiesの略。
学校生活における児童・生徒個々の意欲や満足感、および学級集団の状態を質問紙によって測定します。実施により、いじめの防止・発見、よりよい学級集団づくりに活用できます。我孫子市では、小学校は、3・4・5・6年生、中学校は、1・2・3年生で実施します。
注記4:小1プロブレム
入学したばかりの1年生で、集団行動がとれない、授業中座っていられない、話を聞かないなどの状態が数カ月継続する状態です。
注記5:学校運営協議会
平成29年3月の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正により、学校運営協議会の設置が努力義務化されています。また、「学校運営協議会を設置した学校」と定義されているコミュニティ・スクールは、「地域学校協働活動推進事業」とともに「地域とともにある学校づくり」のツールとして示されています。
注記6:地域学校協働活動推進事業
地域学校協働活動推進員を中心とする「地域学校協働本部」を設置し、学習や部活動の指導などについて、学校のニーズや地域の実情に応じて学校教育活動の支援を行うとともに、学校を核とした街づくりのためのネットワークを構築するものです。
