羽黒前遺跡(中近世)
南に手賀沼を望む台地の縁辺に位置しています。
現在の新木駅の西側にあたります。1983年から1996年(昭和58年から平成8年)に6次の発掘調査を行っています。
古墳、奈良、平安、中世、近世の複合遺跡です。
中世の館跡、近世の土坑などが見つかっています。
羽黒前遺跡中世遺構平面図
出土遺物
遺物各種
蔵骨器(常滑産)
口径:31.2センチメートル
高さ:10.0センチメートル
底径:14.0センチメートル
こね鉢を甕の蓋として使用しています。
こね鉢をはずした状態
口径:24.0センチメートル
高さ:34.7センチメートル
底径:14.4センチメートル
山吹鳥蝶鏡
径:10.71センチメートル
高さ:0.65センチメートル
重さ:82.93グラム
土坑からの出土です。他に「大観通宝」(1007年)が伴出しています。土坑墓と考えられます。
拓本
菊花散双雀鏡
径:6.7センチメートル
重さ:50.7グラム
羽黒前古墳の墳丘上部表土中から出土しました。
鏡面には羽黒権現に捧げる旨の願文がケガキされています。
拓本
鏡面のケガキ
出土状況
陶磁器
佐賀県波佐見焼
中央の小皿が径約14センチメートル
短刀
土坑からの出土です。土坑墓と考えられます。
長さ:30.2センチメートル
幅:2.5センチメートル
重さ:125.7グラム
笹穂鏃
館跡の空堀の落込み土からの出土です。
長さ:19.4センチメートル
幅:1.5センチメートル
重さ:42.3グラム
火打金
土抗一括遺物
一つの土坑から鏡1点、青磁碗の破片と和鋏、かわらけ2点、短刀が出土しています。
これらは土坑墓の副葬品と思われます。副葬されたものからみると被葬者は女性のようです。
以下は、その遺物の紹介です。
秋草双鳥鏡
径:11.1センチメートル
重さ:102.5グラム
刀子
長さ:22.0センチメートル
幅:2.2センチメートル
和鋏
長さ:11.0センチメートル
カワラケ
口径:9.0センチメートル
青磁碗(破片)
出土状況
発掘調査風写真
館跡の空堀調査風景
その他の時代
羽黒前遺跡は複数の時代の遺構が重なった遺跡です。他の時代の様子は下の時代をクリックしてください。