はじめに

 本市の行政改革は、平成8年4月に策定した「我孫子市行政改革指針」に基づき、平成8年から平成11年までの4年間を推進期間として積極的に取り組んできました。この間、平成8年11月、指針に基づく「第一次実施計画」を、また平成9年には「第二次実施計画」を策定し、具体的な改革項目233項目を定め着実に実行してきたところです。
 この結果、11年度末での未完了項目は10項目を残すのみとなり、改革の取り組みは一定の成果を得ました。しかし、少子・高齢化の進行、長引く景気の低迷等、市を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しく、また、地方分権が本格的にスタートしたことにより、行政システムも地方分権型構造への転換が迫られるなど、市としても新たな対応が必要になってきています。
 市では、市民参加による改革のさらなる前進を目指し、平成10年、第二次行政改革市民推進委員会を設置し、平成12年5月には「我孫子市行政改革指針見直しに関する提言」と題する提言書をいただきました。
 第二次行政改革指針は、この提言書に基づき、さらに柔軟で効率的な行政の実現に向け、今後5年間に取り組むべき方策を明らかにするため策定したものです。

指針の目標

1.目標

 行政改革の目的は、市民にとって真に必要なサービスを最小の経費で提供する市民本位の市政を実現することです。この実現に向け平成8年に策定した行政改革指針では「簡素で効率的な行政システムの構築」を最優先に取り組んできました。この取り組みは「第二次行政改革指針」でもさらに強力に推進していかなければなりませんが、地方分権一括法が施行された現在、21世紀に向けて積極的な施策の展開を図るためには、分権型社会に対応した行財政システムに再構築することが必要です。このため、第二次指針の柱の一つを「地方分権を担う市役所づくり」としました。また、地方分権を推進するためには、市民の役割が大きいことから、市政や地域づくりに市民が積極的に参加できるよう、市民と行政との協働の仕組みを構築するため、「市民と市の協働体制づくり」を二つ目の柱としました。
 第二次行政改革指針では、以上の二つをテーマとし、行財政システムの抜本的な見直しを行い、新たな時代に対応した行政運営の実現を目指します。

指針の体系

[1] 地方分権を担う市役所づくり

(1) 人事制度の見直し
(2) 財政構造の見直し
(3) 情報化の推進と窓口サービスの向上
(4) 広域行政の推進

[2] 市民と市の協働体制づくり

(1) 協働のシステムづくり
(2) 情報共有化による行政の公正・透明性の向上

2.目標期間

 この改革の目標期間は、平成12年度から平成16年度までの5年間とします。

改革の具体的方策

1.地方分権を担う市役所づくり

[1] 人事制度の見直し

(1)任用制度・給与体系の見直し
 職員の職務・職責が多様化し、職員に求められる資質も多様化しています。このため、職務・職責をより明確にするとともに、職員の能力・実績に応じた給与体系への転換を図り、職員の意欲や能力を引き出し、職員がやりがいを持って仕事に取り組むことができる制度を確立します。
  

「主な施策」

 ・給料表の見直し

 ・昇給昇格制度の見直し

 ・退職金制度の見直し

(2)目標管理制度・評価制度の導入
 年功序列主体の人事管理から、能力・実績を重視した人事管理への移行が求められていることから、自主的で挑戦的な組織風土を醸成し、職員の意欲と資質の向上を図るため、能力、実績等を適正に評価するシステムを構築します。

「主な施策」

 ・目標管理制度・評価制度導入

(3)人材の活用
 行政ニーズが多様化する中で、高度な専門性や豊富な経験を必要とする業務については、積極的に即戦力となる人材の確保に努めます。また、適材適所の人員配置と弾力的な人事管理に努め、人材の活用を図ります。

「主な施策」

 ・専門職の活用

 ・外部人材登用

 ・雇用延長制度の導入

(4)研修制度の再構築
 分権時代に的確に対応していくためには、人的資源である職員の能力を最大限に引き出し、より一層の資質の向上を図ることが必要です。市民ニーズの変化や新たな行政課題に対応できる人材を育成するため、従来の階層別研修の見直し、重点目標の設定等、さらに効果的な人材育成システムの確立に努めます。

「主な施策」

 ・研修制度の再構築

[2] 財政構造の見直し

(1)新たな経営手法と行政評価システムの導入
 財政運営の優劣が自治体間のサービス格差を生み出すとの認識から、積極的に経営的手法を研究し、計画的で効率的な財政運営に努めます。また、事業の達成度や費用対効果、市民の満足度等を客観的に評価する行政評価システムを導入します。
  

「主な施策」

 ・行政評価システム導入

 ・バランスシート導入

 ・PFI等新たな経営手法の研究

(2)監査機能の強化
 行政内部のチェック機能の強化を図るため、監査制度のあり方を検討し、機能強化を図ります。また、外部監査制度については、導入団体での具体的成果や実施上の問題点を調査・研究し、導入について検討します。

「主な施策」

 ・監査制度の充実

 ・外部監査制度の導入の検討

(3)下水道会計の見直し
 下水道会計については、施設整備に長い年月と多額の経費を要し、独立して採算ベースとなることは極めて難しい状況ですが、経営的視点に立ちバランスシートやマスタープランの作成等を検討し、事業会計健全化に努めます。

「主な施策」

 ・下水道会計経営分析の確立
 ・下水道審議会の充実

[3] 情報化の推進と窓口サービスの向上

(1)情報化の推進
 情報は市民生活に必要不可欠なものであることから、市民サービスの向上を図るため、行政情報全般にわたる高度化、効率化を推進するとともに、インターネットやCATVを利用し、豊富で多様な地域情報を提供する体制の整備に努めます。
  

「主な施策」

 ・地域情報網の確立・整備

(2)窓口サービスの向上
 共働き世帯の増加、ライフスタイルの個別化等により、きめ細かな窓口サービスが求められています。市民のライフスタイルの変化を踏まえ、公共施設の開館時間の見直しなど、そのあり方を検討するとともに、地区の拠点となる施設の機能を拡充し、市民に身近な場所での行政サービスの量や質の充実に努めます。

「主な施策」

 ・公共施設予約システムの確立

 ・サービス時間の見直し

 ・市民総合窓口の検討

[4] 広域行政の推進

 交通や情報通信技術の発展、都市化の進展により市民の行動範囲は市域を超えて広がっています。日常生活圏の拡大や多様化・高度化する市民ニーズに対応し、市民サービスの向上を図るため、広域的な視点から関係自治体と連携し、事務の調整を図りながら広域行政を推進していきます。

「主な施策」

 ・公共施設の相互利用
 ・広域的な手賀沼施策の推進

2.市民と市の協働体制づくり

[1] 協働のシステムづくり

 行政の守備範囲を見直すとともに、市民・NPO・ボランティア団体・民間企業などとの連携を強化し、それぞれの役割と責任を果たしながら、協働してまちづくりを進めます。そのため、公平で適切な資金援助、市民活動の拠点整備や組織化の支援など、市民活動を支援する行政体制の整備を図り、市民の自主的な活動を促すような環境づくりを積極的に推進します。

「主な施策」

 ・(仮称)市民活動支援センターの設置

 ・市民団体の情報収集・情報提供・ネットワーク化
 ・市民団体への公平、適切な資金援助
 ・協働意識を高めるための生涯学習の推進
 ・市民参加の手段の活性化

[2] 情報共有化による行政の公正・透明性の向上

 市民と協働して市政を推進するためには、市民に信頼されるよう公正で透明性の高い行政運営が不可欠です。このため、情報公開を一層進め行政情報の徹底的な公開に努めるとともに、広報広聴活動の充実を図り、行政情報の積極的な提供と双方向の情報交換を推進し、市民との情報の共有化を図ります。

「主な施策」

 ・情報公開の推進
 ・広報広聴活動の充実
 ・広報紙の見直し
 ・ホームページの充実

おわりに

 本指針は、前述のとおり行政改革市民推進委員会から提出された提言書を踏まえ策定したものですが、提言には本指針で取り上げた施策以外にも数多くの先進的な意見・施策が盛り込まれています。それらについては、取り組むべき課題として引き続き整理し、検討を続けます。
 また、行政改革市民推進委員会のあり方については、提言にある各種専門委員会の設置を検討する中で整理します。

 本指針を全庁を挙げ着実に実行するため、その進行管理は庁議において行い、前指針の未完了項目についても、引き続き進行管理を進めます。また、現行組織の見直しを積極的に行い、推進体制の強化を図っていきます。
 なお、市民との連携を深めるため、本指針の実施状況については随時、広報やインターネット等により市民に公表するとともに、広く市民の意見を求めていきます。