(4)平成15年度事業の行政評価結果
(1) 行政評価の流れ
(2) 行政評価の実施体制
(3) 評価表の設計
(1) 評価対象事業
(2) 評価結果の概要
(3) 2次評価結果の概要
(4) 改善策の決定
(5) 評価委員会での評価および会議要旨
(6) 15年度事業評価表
(1) 15年度事業の行政評価の課題と対応
(2) 17年度以降の行政評価の課題と対応
1.はじめに
15年度事業については、14年度から16年度までの行政評価導入の第1ステップの2年目として、各課で1つの事業を評価しました。多くの職員が行政評価を体験し、事業をその成果や市民満足度の視点で評価できるようにして、職員の政策形成能力を高め、職員一人ひとりの意識改革につげていくことを目的に進めてきました。
また、15年度事業の2次評価からは、「行政評価委員会」に、「行政改革市民推進委員会」の市民委員3人を加え、民間委員を4人とし、内部委員と合わせて8人で評価を行いました。市民の視点で評価することにより、評価の客観性を高め、市民ならではの意見を事業改善の方向に生かすことができるようにしました。
さらに、14年度モデル事業の評価結果で明らかになった、(ア) 評価表をより記入しやすく分かりやすいものとすること、(イ) 事業の成果・効果を的確に測定し事業改善につなぐことができる指標を設定すること、(ウ) 2次評価での3段階評価方法をより細かい評価段階に改善すること、(エ) 職員が制度に慣れる工夫をすること、などの課題への対応にも取り組みました。
また、事業を見直す必要があるとされた事業については、継続評価の対象とし、評価結果に基づく改善策が確実に事業に反映されているか再評価を行いました。この報告書は、こうしたねらいのもと15年度に評価対象とした54事業について、1次・2次評価の結果、評価結果に基づく改善策の決定や今後の課題と対応についてまとめたものです。
2.行政評価の進め方
(1) 行政評価の流れ
15年度事業については、以下の流れで行政評価を実施しました。
| 1.実施要領の作成 | 14年度に試行として実施した評価制度の機能を検証するとともに、多くの職員に行政評価を体験させることにより、制度を定着させることを目的に作成しました。 | |
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| 2.対象事業 | 導入の2年目として各課で1つの事業評価を体験できるように、第1次基本計画のリーディングプランに考慮し、54事業を選定しました。 | |
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| 3.1次評価の実施 | 事業所管課が対象事業について、評価表を用いて1次評価(自己点検)しました。 | |
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| 4.2次評価の実施 | 行政評価委員会が1次評価および所管課とのヒアリングを踏まえて対象事業の2次評価を実施しました。 | |
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| 5.評価結果に基づく改善案の作成 | 1次評価または2次評価により改善を要すると判定された事業については、評価結果に基づく改善案の検討を行いました。 改善案は、所管課で作成し、行政評価推進会議で決定され、市長の承認を受けます。 |
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| 6.行政評価制度の改善 | 評価制度の運用等を基に、行政評価調整会議を開催し、評価制度の充実を図ります。 | |
(2) 行政評価の実施体制
行政評価の実施体制は下表のとおりです。
行政評価に係わる各実施主体と役割
| 役割 | 実施主体(構成員) | 内容 |
|---|---|---|
| 進行管理 |
行政評価推進会議 |
行政評価の推進計画や制度の見直しに係る調整、進捗状況の管理、評価に基づく見直し方針の決定指示など、行政評価の進行管理 |
| 評価実施 | 事業所管課(1次) | 所管する事業の1次評価(自己点検)の実施 |
| 行政評価委員会(2次)(民間委員4人と総合計画、予算、組織、行政改革の担当課長相当職等4人) | 第1次評価及び所管課とのヒアリングを踏まえて2次評価を実施 | |
| 総合計画、予算、組織、行政改革との連携 | 行政評価調整会議(総合計画、予算、組織、行政改革の各担当) | 行政評価委員会の指示を受け、連動のしくみづくりや制度の見直しに係る調整、また、第2次評価に係る調整等を実施 |
(3) 評価表の設計
評価表については、以下の項目を重視して設計しました。これらを踏まえて設計した評価表とその見方 (PDF 260KB)について別掲のとおりです。
(評価表設計の視点)
- 施策を踏まえた事業目的、達成目標の整理
- 達成目標を客観的に評価しうる定量的な指標の設定
- 事業の必要性、市実施の必要性、市民との協働の工夫実施状況の検証
- 目標値設定の妥当性及び達成状況の検証
- 事業費削減の工夫実施状況、事業費水準の妥当性及び達成状況の検証
- 2次評価における客観的な評価(事業の強い点・弱い点)の整理
3.実施要領
平成16年度我孫子市行政評価実施要領とマニュアル [925KB pdfファイル]
4.15年度事業の評価結果
(1) 評価対象事業
平成15年度事業については、各課1事業を対象に計54事業の評価を行いました。また、14年度モデル事業の評価で、事業を見直す必要があるとされた5事業(公用車の集中管理、病児保育事業、健康づくりうんどう教室、消防設備等の点検指導、平和事業)についても、評価に基づく改善策が確実に実施され、事業が改善されているか再評価を行いました。
(2) 評価結果の概要
54事業の1次評価(各担当部課での評価)と2次評価の結果は次のとおりです。なお、評価結果の詳細は、15年度事業の評価結果 (PDF 198KB)のとおりです。
| 評価結果 | 1次評価 | 2次評価 |
|---|---|---|
| 現状どおり推進 | 46 | 39 |
| 拡充 | 1 | 6 |
| 事業手法見直し | 5 | 7 |
| 縮小 | 1 | 1 |
| 廃止 | 1 | 0 |
| その他 | 0 | 1 |
| 計 | 54 | 54 |
(3) 2次評価結果の概要
15年度事業の2次評価は、「行政評価委員会」に、「行政改革市民推進委員会」の委員3人を加えて民間委員を4人とし、内部委員と合わせて8人で行いました。行政評価委員会では、54事業すべてについて、市民の視点で、事業のステップアップの方向や事業の成果・効果を捉える指標の設定などについてコメントしました。
(ア) 「現状どおり推進」 (ウ)~(オ)を除く39事業
(イ) 「拡充」 ジャパンバードフェスティバル、交通安全教育の充実(交通安全教室)、応急手当の普及活動(普通・上級救命講習)、鳥の博物館での体験学習室の活用、随時監査の実施(財政援助団体等の監査事務)、平和事業の6事業
(ウ) 「事業手法の見直し」 財政事情の公表、パソコンルームの運営、農家と語るつどい、健康づくりうんどう教室(湖北台)、河川愛護事業(利根川河川清掃)、消防設備等の点検指導、市民カレッジあびこ楽学コースの7事業
(エ) 「縮小」 テレホンガイド・ファックス便利帳の1事業
(オ) 「その他」 あびこ市民ミュージカルの1事業
(4) 改善策の決定
2次評価の結果を受けて、行政評価推進会議で事業の改善の要否を判定しました。これを受けて所管課が作成した改善案について、行政評価推進会議で改善策として決定し、次年度以降の事業改善や予算などに生かしていくことになりました。なお、詳細は改善策一覧表 (PDF 159KB)のとおりです。
(5) 評価委員会での評価および会議要旨
5月24日に第1回を開催し、6月7日、18日及び28日、7月5日、12日、16日及び23日、8月2日と9回にわたって開催しました。
評価委員会では、1事業概ね30分のヒアリングを行い、1開催日に5事業~7事業の評価を行いました。
(6) 15年度事業評価表
15年度事業の評価結果の詳細は、15年度事業の評価結果 (PDF 198KB)のとおりです。
5.今後の進め方
(1) 15年度事業の行政評価の課題と対応
54事業の行政評価の結果、次のような課題が明らかになりました。こうした課題については、16年度以降の事業評価の中で取り組みます。
| 1) | 事業の高質化・適正化にいきる達成目標・評価指標の設定 | ||
| 14年度モデル事業で明らかになった「事業の成果・効果を的確に測定し事業改善につなぐことができる評価指標を設定すること」については、マニュアルを改定するとともに、評価表記入検討会などを通して対応してきました。これにより、事業の高質化・適正化につながる達成目標・評価指標を多くの事業で設定することができました。また、こうした達成目標・評価指標の設定は、評価委員会の討議を活性化し、事業の改善ポイントを導き出すことに役立ちました。しかし、次の観点から、達成目標・評価指標を見直すことが必要な事業が複数ありました。 | |||
| (ア) | 事業環境に合った目標・指標の設定 | ||
| 事業は、その熟度や市民要望、進行状況等によって「成長」、「拡充」、「成熟」、「縮小」、「維持」など、位置付けが異なります。こうした位置付けを見据えながら、目標・指標を設定することにより、事業の高質化・適正化につなげることができます。「財政事情の公表」「徘徊探知システムの充実」や「学校評議員制度」では、こうした視点で適切な目標・指標の設定を工夫することが必要でした。 | |||
| (イ) | 事業の高質化・適正化を把握できる目標・指標の設定 | ||
| 事業の中に、理想値を必ず達成する可能性の高い目標や指標を設定しているため、事業の改善余地、事業実施上の工夫や職員の努力による改善の有無など、事業の高質化・適正化を図る上で有益な情報を得ることが難しいものがありました。 「福祉相談窓口の相談業務」では「情報提供等を行うことができた件数の割合」を、「徘徊探知システムの充実」では「徘徊探知システム専用端末機利用者の24時間以内の保護率」を、また「教育委員会事務進行管理会議の運営」では「事務事業の執行率」を指標に設定し、ほぼ毎年度100%の目標を達成していることなどが挙げられます。この他、計画策定事業や法定審査業務などもあります。 今後は、マニュアルへの追加記述、職員説明会や各課への個別対応などを通して、 (ア) および (イ)の改善に取り組んでいきます。 (ウ) 事業の進行・発展段階に応じた目標・指標の設定 事業の中には、道路事業のように、用地買収・実施設計・工事を数年度かけて実施するものがあります。今回の評価では、「市道改良事業」がこれに該当します。こうした複数年度にわたる事業では、各年度での目標・指標が異なることが多いため、事業目標・指標を進行段階に応じて捉えることが必要です。また、事業によっては、年度を重ねながら事業を深化・発展させていくものもあります。そのため、16年度事業からは、3年目の目標・指標が分かるように評価表を改善し、事業の進行・発展段階に応じた目標・指標ができるようにします。 |
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| 2) | 事業範囲の明確化 | ||
| 適切な評価指標を設定するためには、事業範囲を明確にすることも必要です。今回実施した「男女共同参画の推進」では“審議会等への女性の登用”に、「料金未納対策」では“給水停止”に限定して評価を行いました。 事業範囲が広い場合には、達成しようとする目標が複数想定されるため、一つの目標だけでは事業の達成度を把握することが難しくなります。当該年度に達成する主要な部分に限定した目標に絞り込むか、事業単位を見直すことが必要となります。 16年度以降の事業の評価では、事業目的が同じでも目標・内容が異なる事業については、事業の単位を「基本事業」と「個別事業」の2段階で整理し、達成目標や指標をより明確にできるように改善します。16年度以降の事業の評価で、職員説明会や各課への個別対応などを通して、この分類手法を定着させていきます。 |
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| 3) | 職員の説明能力の向上 | ||
| 15年度事業の2次評価からは、「行政評価委員会」の民間委員を4人とし、内部委員と合わせて8人で評価を行いました。 評価は、事業ごとに担当課職員による説明とヒアリング方式で行いました。職員の事業説明は、行政の説明責任を果たすとともに、行政評価を通して市民とのコミュニケーションを活性化して協働のまちづくりを進めるために不可欠です。 担当課職員の説明では、時間の制約もありましたが、民間委員に分かりやすい説明が行われないものもあり、内部委員が補足説明する場面が度々ありました。担当課職員の事業説明が不十分だったため、2次評価コメントを導き出す過程に影響を及ぼしていると考えられる事業も散見されました。そのため今後、職員が事業内容について、文書や図表・写真等を用い、委員に分かるように伝えることができるように、職員説明会で説明を行うとともに、研修担当と連携を強め、職員の能力アップにつながる研修を検討していきます。 |
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| 4) | 換算人件費の精度の向上 | ||
| 事業の人件費の算定にあたって、担当職員の換算人員が業務の実態と整合していないと考えられる事業がありました。 17年度からの全事務事業への拡大では、その仕組みとして、行政評価と職務権限規程と連動させることを計画しています。これにより、評価表の換算人員と職務権限規程に基づき各課で作成する業務分担表とが連動し、換算人員の算定の精度を上げることができます。また、より精度を高めるため、実人件費の算定にも取り組んでいきます。 |
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| 5) | 行政評価委員会の運営 | ||
| 15年度事業の2次評価からは、「行政評価委員会」に、「行政改革市民推進委員会」の委員3人を加え、民間委員を4人とし、内部委員と合わせて8人で評価を行いました。1日に7事業、1事業について事業説明とヒアリングを合わせて30分程度で評価を行いました。 今回の評価から行政評価に市民が参画したことにより、特に、市民の視点から多面的なチェックが行われ、委員会の機能が強化されました。 しかし、評価委員会の進め方や委員の多様な意見のとりまとめなど幾つかの課題も明らかとなりました。こうした課題に対応するため、今後の運営にあたっては、次のような改善を行い、委員会を充実させていきます。 |
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| (ア) | 委員会の進め方 | ||
| 今回の54事業では、1事業30分の審査時間内に事業説明とヒアリングを行ったため、事業によってはもっと十分な審査時間が欲しいと民間委員から意見が出ました。そのため今後、各事業の審査に十分な時間をかけて評価を行えるように、効率的な事前説明を徹底し、審査時間の確保に努めます。 | |||
| (イ) | 委員の多様な意見のとりまとめ | ||
| ・ | 事業評価にあたって、委員会で委員相互の間で見解が異なる場面が何度かありました。委員会の目的は、評価について合意を形成することではなく、委員が多様な観点から、1次評価やヒアリングを踏まえ2次評価を行うことにあります。今後、委員の多様な意見をまとめることができるよう運営を工夫していきます。 | ||
| ・ | 評価委員会での「必要性」評価については、その妥当性を高めるため、評価欄を5段階に区分して、検討の視点を提示する改善を行いました。これにより、昨年度より高質な評価が可能となりました。しかし、他の評価項目と比較して絶対的な基準が存在しないため、委員の相対的な判断に依存せざるを得ないことから、評価結果にバラツキが出る可能性が高い状況にあります。今回の評価では、さらに、検討の視点を具体的に提示した補助表を作成して、改善策を講じたものの、その傾向が見られました。そのため今後、さらに補助表の改善に努め、その活用を高めるとともに、各事業の評価結果の比較資料などを提供して、評価の妥当性を確保していきます。 | ||
| (ウ) | 委員会の充実 | ||
| 今回の評価委員会での評価を踏まえて、より透明性の高い評価を行うこと、職員の説明能力を高めることや施策の試行評価を行ってもらうことなどに対応するため、委員会を充実させていく必要があります。そのため、より市民の視点で評価を行えるように、民間委員を増やしたいと考えています。16年度事業の評価から対応します。 | |||
| 6) | 2次評価表の改善 | ||
| (ア) | 評価項目への検討視点の追加 | ||
| 「市民との協働の工夫」の評価軸「0」の部分に、「今後、協働が考えられないか検討する必要がある」を追加して、市民との協働を広げる視点を加えるべきであると評価委員会から提案がありました。 また、効率性の「事業費」の評価軸「0」の部分に、「事業環境の変化により事業が執行されていない」を追加し、未執行事業の評価軸を決めておくことが必要であると評価委員会から指摘がありました。これらの点については、16年度事業の2次評価から対応できるよう2次評価表を改善します。 |
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| (イ) | 評価項目ごとに評価結果記述欄の追加 | ||
| 評価項目別に改善点を検討し、これに基づき導き出された論理的な流れを書き留める欄が2次評価コメント欄に限られているため、評価項目別の評価とのつながりが明らかになっていません。 そのため、評価項目の「評価」欄の横に評価委員会の見解を記述する欄を設け、議論の結果を書き留めるなど、改善策の検討経過を誰がみても理解できるように改善する必要があります。また、評価委員会の説明責任を確保するために必要です。この点についても、16年度事業の2次評価から対応できるように検討を行い、評価表に反映させます。 |
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(2) 17年度以降の行政評価の課題と対応
17年度は、事業評価を全事務事業に拡大するとともに、「施策評価」手法を導入し、施策評価の試行を実施することにしています。
全事務事業への拡大では、対象事業の範囲、拡大の方法(システムづくり)、2次評価対象事業の選定方法・件数、2次評価の対象外事業の取扱いなどについて検討し、これまでの2年間の実践を踏まえ、各部課における事業の進行管理や目標管理、予算編成など、市の業務管理システムの中に行政評価を定着させていきます。
また、施策評価の試行では、施策の単位、施策の選定や評価の方法について検討し、施策の目標達成度、必要性や有効性を検証するとともに、事業の施策への有効性や貢献度、事業相互の優先度をチェックし、事業を施策レベルから評価できるようにします。
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